気持ちの通りに言葉を発するのは難しい…。 けれど私は言ってみる。感情の現れを。そのままに。 「土方サン…私……。」 「…。」 離された腕の温かさを感じながら、それでも精一杯に言う。 「私…私は、土方サンに憧れてました。正直言うと、もしかしたら”好き”と言う感情もあったと思います。でも…、さっきのあの瞬間…私は…」 「…すげぇなー…」 「えっ?」 「……アイツはすげぇよ…、数分で一瞬にして一人の女を捕まえちまうんだから…。アイツには…そういう力ってもんがあんのかねぇ…」 「土方さ…」 「行ってアイツ笑顔にしてやんな、アイツの笑顔は中々イイ顔だぜ。早くしねぇと気持ちが流れていくぞ。アイツは心変わりが早えぇんだ。」 「は…い。土方サン…。ありがとうございます!」 言うと私は走り出した。 アイツを捜しに。校舎をかけめぐる。 ―見つけなきゃいけない人がそこにいる。 「沖田総悟!!話がある!!」 そいつは雨が降っている中、裏庭の隅にいた。 びしょ濡れの髪の毛からポタポタと雫が落ちている。 「アンタ…私のこと…守るべき人だとか言ったよね…!」 驚いた顔の総悟にかまいことなく、気持ちをぶつける。 「だったら根性見せてよ!!守ってよ!!私は守られることしかないんだから…総悟が守んないで…私はどうなっちゃうの!?」 その時また、あの時の温もりが返ってきた。 「守られることしかできないくせに…偉そうにいろいろ言うんでねェ…!!…好きだよハルカ……」 私の心に欲しかった温もり。温かさ。言葉。全て手に入れた…。 見つけた。私が入れるちょうどいい腕の中…。 「総悟…」 私の矛盾な生活が、ほんの数分で…。 大きく変わったのだった…。 [先頭ページを開く] [指定ページを開く] w友達に教えるw [編集] 無料ホームページ作成は@peps! |