1/3ページ目 新年を迎え、人々は至る所で新年を祝っていた。 もちろん此処、三千院家でも。 「新年、おめでとうございます、お嬢様、マリアさん」 「おめでとう、ハヤテ。今年も宜しくな♪」 「僕の方こそ、宜しくお願いしますね」 その時だった、ハヤテの携帯が着信音を鳴らしたのは。 「あ、ハヤテ君。鳴ってますよ」 「ちょっと失礼します」 マリアとナギに断りを入れて電話に出るハヤテ。 電話の向こうから、凛とした聞きなれた声が聞こえた。 「あけましておめでとう、ハヤテ君♪」 「あ、ヒナギクさん。おめでとうございます」 「急かもしれないんだけど、初詣行かない?」 「いいですね。行きましょう」 「一時間後に負け犬公園に来れる?」 「大丈夫ですよ。では、一時間後に」 「ええ」 話が終わったハヤテは電話を切り、事の次第をナギたちに伝える。 初めは少し渋ったナギだったが、すぐに微笑した。 「正月だし、ゆっくりして来い。お前とヒナギクの邪魔をする気はない」 「ありがとうございます、お嬢様」 会話から分かるかどうか不明だが、ハヤテとヒナギクは現在付き合っている。 半年ほど前のある日、ハヤテはヒナギクに告白しようかどうかで悩んでいた。その時、彼女の方から告白され、断る理由もなく、めでたく付き合うこととなった。 二人の事を知った時、ナギは激怒し、一度はハヤテを屋敷から追い出した。その後、マリアからクリスマスの日の真相を聞き、一度悩んだ後、彼女は二人を応援する事を決めた。 失恋の痛みは大きかったが、マリアの慰めにより、すぐに立ち直った。 完全無欠の生徒会長が貧相な執事と付き合っている事が判明した時、白皇中の男子生徒がハヤテを殺ってしまおうとした。無論、剣道部際弱の東宮も。 だがそれは、当事者であるヒナギクによって、阻止された。 その後も色々あったのだが、それはまた別の話。 「じゃあ、行ってきますね」 「ゆっくり羽を伸ばしてきて下さい」 ハヤテは私服に着替えて、公園へと向かったのだった。 [指定ページを開く] <<重要なお知らせ>>@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
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