2/3ページ目 一時間後、負け犬公園。 「そろそろ来る頃ね」 桃色の髪の少女が公園の入り口に立っていた。 その表情は、とても楽しそうだ。 そこへ。 「ヒナギクさーん」 「あ、ハヤテ君♪ちょっと遅いわよ」 「すみません。ちょっと色々あって」 ハヤテが遅れた理由。 それは、人に道を聞かれたり、思わぬ所で金の亡者と出会ったり、といった事々であった。 まさに彼の不幸体質の本領発揮である。 「気にしなくていいわよ。そんなに待ってないし。じゃ、行こうか」 「そうですね。ところで、初詣ってどこに行くんですか?」 「ん?朝風神社よ」 「朝風さんのところですね」 「ええ。あの子がちゃんと手伝ってるかどうかは不明だけど」 「朝風さんの事だからサボってそうですよね」 二人揃って苦笑する。 生徒会の仕事をサボっている彼女が、家の手伝いをしているのかどうかはかなり怪しい。 というより、サボっていそうな気がする。 正月から他二人と遊んでいるかもしれないとさえ思う。 その姿は、手に取るように簡単に思い浮かべる事が出来る。 何はともあれ、二人は朝風神社へと向かった。 「うわぁ、結構居ますねー」 「お正月だし、毎年来るけど、いつもこんな感じよ」 「これだけいると、大変でしょうね」 「そうね。毎年大変みたいよ。理沙はよくサボっているようだけど」 「じゃあ今年もサボってる可能性が高そうですね」 「全く・・・。生徒会の仕事も家の手伝いもちゃんとすればいいのに・・・。今日もあの子達と一緒なのかしら」 苦笑するハヤテ。 理沙の事を考えると、ヒナギクは思わずため息をついた。 容易にそういう事を想像出来てしまう辺り、理沙の事をよく分かっている。 「心外だな。今日はちゃんとやっている」 噂をすればなんとやらという。 まさにその言葉がぴったりのごとく、突然二人の会話に割り込んできた人物がいた。 巫女服を着用しているその人物は、この神社の娘であり、ハヤテやヒナギクの友人である、理沙だった。 「今日はって・・・。普段も手伝いなさいよ。もちろん、生徒会の仕事も」 「そんなもの、するわけない」 「うんうん♪」 「同意だ」 「やはりというか、瀬川さんや花菱さんも来ていたんですね」 理沙の後ろから現れた泉と美希は、ふと顔を見合わせて、からかうような視線をヒナギク達に向けた。 それに気づいた理沙も、ヒナギクたちを見て、にやりと笑んだ。 「な・・・何?」 「正月からデートか。しかも、神聖なる神社で」 「デートって・・・!ただの初詣よ、馬鹿」 「ほんとに?」 「ほんとですって」 新年早々、三人組にいじられるハヤテ達。 けれど、一つだけ、思うことがある。 それは。 今、この瞬間が幸せだという事ー・・・。 Fin [指定ページを開く] <<重要なお知らせ>>@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
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