ハヤテ小説

一年の計は元旦にある・・・のかなぁ?
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一時間後、負け犬公園。

「そろそろ来る頃ね」

桃色の髪の少女が公園の入り口に立っていた。
その表情は、とても楽しそうだ。
そこへ。

「ヒナギクさーん」
「あ、ハヤテ君♪ちょっと遅いわよ」
「すみません。ちょっと色々あって」

ハヤテが遅れた理由。
それは、人に道を聞かれたり、思わぬ所で金の亡者と出会ったり、といった事々であった。
まさに彼の不幸体質の本領発揮である。

「気にしなくていいわよ。そんなに待ってないし。じゃ、行こうか」
「そうですね。ところで、初詣ってどこに行くんですか?」
「ん?朝風神社よ」
「朝風さんのところですね」
「ええ。あの子がちゃんと手伝ってるかどうかは不明だけど」
「朝風さんの事だからサボってそうですよね」

二人揃って苦笑する。
生徒会の仕事をサボっている彼女が、家の手伝いをしているのかどうかはかなり怪しい。
というより、サボっていそうな気がする。
正月から他二人と遊んでいるかもしれないとさえ思う。
その姿は、手に取るように簡単に思い浮かべる事が出来る。
何はともあれ、二人は朝風神社へと向かった。








「うわぁ、結構居ますねー」
「お正月だし、毎年来るけど、いつもこんな感じよ」
「これだけいると、大変でしょうね」
「そうね。毎年大変みたいよ。理沙はよくサボっているようだけど」
「じゃあ今年もサボってる可能性が高そうですね」
「全く・・・。生徒会の仕事も家の手伝いもちゃんとすればいいのに・・・。今日もあの子達と一緒なのかしら」

苦笑するハヤテ。
理沙の事を考えると、ヒナギクは思わずため息をついた。
容易にそういう事を想像出来てしまう辺り、理沙の事をよく分かっている。

「心外だな。今日はちゃんとやっている」

噂をすればなんとやらという。
まさにその言葉がぴったりのごとく、突然二人の会話に割り込んできた人物がいた。
巫女服を着用しているその人物は、この神社の娘であり、ハヤテやヒナギクの友人である、理沙だった。

「今日はって・・・。普段も手伝いなさいよ。もちろん、生徒会の仕事も」
「そんなもの、するわけない」
「うんうん♪」
「同意だ」
「やはりというか、瀬川さんや花菱さんも来ていたんですね」

理沙の後ろから現れた泉と美希は、ふと顔を見合わせて、からかうような視線をヒナギク達に向けた。
それに気づいた理沙も、ヒナギクたちを見て、にやりと笑んだ。

「な・・・何?」
「正月からデートか。しかも、神聖なる神社で」
「デートって・・・!ただの初詣よ、馬鹿」
「ほんとに?」
「ほんとですって」

新年早々、三人組にいじられるハヤテ達。
けれど、一つだけ、思うことがある。
それは。





















今、この瞬間が幸せだという事ー・・・。

























Fin
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