ハヤテ小説

手にした幸せ
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「ハヤ太君♪」
「何ですか、瀬川さん」
「報告書書くの、手伝って」

白皇学院のとある教室では、最近はよく見かける光景が広がっていた。

「花菱さん達はどうしたんですか」
「美希ちゃんも理沙ちんも私を置いて帰っちゃった」
「あー・・・、またサボりですか」
「うん」
「仕方ないですね・・・手伝いますよ」

ハヤテが言った途端、泉は満面の笑みを浮かべた。
そして、報告書を開く。
まだ何も書かれておらず、真っ白である。

「じゃ、書こっか♪」











「遅いわねー・・・」

学院内に聳え立つ時計塔の内部にある、生徒会室。
ヒナギクは書類を片っ端から裁きながら、泉が報告書を持ってくるのを待っていた。

「何やってるのかしら・・・」

中々来ないために、だんだんと機嫌が悪くなっていく。
そして。

「遅い!」

ヒナギクは机をバンっと叩き、立ち上がった。
と、そこへ。

「ヒナちゃん、報告書持ってき・・・たよ・・・?」
「・・・」

ヒナギクの様子を見て固まるその人物は。

「泉・・・、遅いわよっ!」
「えっとえっと・・・」

その剣幕にどうすればいいか分からず、泉は隣にいた少年に視線を向けた。
その少年ーハヤテは、何とも言えない表情で。

「・・・こんにちわ、ヒナギクさん」
「泉・・・、またハヤテ君に・・・」
「だって・・・美希ちゃんも理沙ちんも帰っちゃって・・・。書くことなくて、ハヤ太君に手伝ってもらったの」

泉の言葉を聞いたヒナギクは、すまなさそうな表情をする。
そして、ため息をついた。

「ごめんね、ハヤテ君。いつも泉が手伝わせて・・・。あ、折角だから、紅茶でも飲んでいって?」
「ありがとうございます」
「今入れるから待ってて。・・・あ、泉も紅茶飲む?」

それまでずっと固まっていた泉に視線を向け、先ほどまでの様子は何処へやら、笑顔で尋ねるヒナギク。
その様子に泉はほっとしたように笑顔を浮かべて。

「うん、飲む♪」
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