1/6ﾍﾟｰｼﾞ目 「ハヤテ君・・・、どうしてるかなぁ・・・」 溜息をつきながら、一人の少女が【レンタルビデオVタチバナ】から出てきた。 ごく普通の、公立高校の制服を着ている。 「ここ最近会ってないなぁ」 ふと何気なく空を見上げる。 蒼く澄み渡っていた。 彼女が物思いに耽っていると、後ろから名前が呼ばれた気がして振り返る。 そこには。 「こんにちは、西沢さん」 「ハヤテ君・・・」 今まさに歩が思い浮かべていた少年がいた。 「久しぶりだね」 「そうですね。最近会ってませんでしたから」 「ハヤテ君とナギちゃん、最近バイト来てるの？」 「一応行ってますが・・・それなのに何故か会えませんでしたね」 苦笑するハヤテ。 バイト先は同じなのに会えていなかったのは、不思議としか言いようが無い。 「あ、ハヤテ君。これあげる」 「焼き芋ですか」 「うん。この焼き芋、すごく美味しいんだよ」 笑顔で一本の焼き芋を手渡す歩。 そして、自らも袋から一本取り出し、食べ始めた。 「じゃあ、いただきますね。・・・温かくて、美味しいですね」 「焼き芋は温かいうちがすごく美味しいよね。これ、さっき買ったばかりなんだよ」 焼き芋からは、美味しそうな匂いが立ち上がっている。 ほくほくとしていて、見ていると食べたくなるのではないか。 それからしばらく沈黙が続いた。 話題が思いつかず、悩んでいた。 「（どうしよう・・・何話せばいいのかな？）」 「（このままだと、間が持たない・・・）」 そうしているうちに、突然沈黙が破られた。 それも、第三者の声によって。 「ハヤテ君に歩じゃない。何してるの、こんな所で」 二人が声のしたほうを見ると、そこには完全無欠の生徒会長がいた。 [指定ﾍﾟｰｼﾞを開く] ＜＜重要なお知らせ＞＞@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
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