ハヤテ小説

St.Valentine's Day〜願い〜
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「あ、ヒナさん。ちょっと前にハヤテ君にあったんで久しぶりに話してたんですよ」
「途中から話題が無くて困ってましたけどね」
「どうしようって思ってたんです」


苦笑するハヤテと歩。
二人にとって、今ヒナギクと会えたのは嬉しかった。
そんな二人を見て、ヒナギクはふと微笑んだ。


「あ、そういえば歩」
「何ですか、ヒナさん」
「そろそろあの時期だなーって」
「・・・ああ、なるほど。そういえばそんな時期ですね」


話が分かっているのはこの二人だけで、ハヤテには分かっておらず、話についていけてなかった。


「ということは、ヒナさんと初めて会った日からもうすぐ一年なんですね」
「そうね〜。あの時、学院のSPに捕まってたっけ」
「そういえばそうでしたね」


思い出して苦笑する少女達。

そう、すぐそこに年に一度のイベント、【バレンタイン】が近づいてきていた。


「歩は今年も渡すの?」
「ええ。ヒナさんはどうなんですか?」
「えっ?うーん・・・そうね、渡すわ。・・・一応あげるって約束したし・・・」
「・・・?」


後半はボソッと呟く様に言った為、歩には聞き取れなかった。
一瞬悩んだあと、歩は。


「ヒナさん、私負けませんからね?」
「私だって負けないわよ?」
「・・・あの・・・、何の話をしてるんですか?」
「「内緒♪」」


置いてけぼりにされるハヤテ。
ちょっとみじめだ・・・まぁ、イベントがイベントの為、仕方ないと言えばそうだけれど。

と、そこへ第三者の声が。


「何の勝負事をしてるんだ?」
「へっ?」


三人が声のした方に振り向くと、そこには何処か楽しそうな表情をしている、よく見知った三人の少女がいた。















「あなたたち、何でこんな所に?」
「たまたま通りかかったんだ」
「そしたら、何か負けないとか聞こえてきたから」
「何かと思って声をかけてみた」


相変わらず息ぴったりな三人。
ヒナギクは思わずため息をついた。


「久しぶりだねー、歩ちゃん♪」
「で、何の話をしてたんだ?」
「・・・歩、答えなくていいわよ」
「えぇー・・・」


泉は不満一杯だった。
その横で理沙はつまらなさそうにしており、美希はしばらく考え込んでいたが、ふと何かに気づいたかのようにヒナギクを見た。


「ヒナ。・・・もしかしてあれか?ちょうどそんな季節だし」
「・・・そうよ」
「なるほど。それで勝ち負けか。という事は・・・彼にあげるのか」


ちらりとハヤテの方を見ながら耳打ちする美希。
聞く事を諦めた泉と理沙は、いつの間にかハヤテをいじって楽しんでいた。


「しかしヒナ・・・今年も多そうね」
「・・・あまり考えたくないわね・・・」
「多そう・・・ってヒナさん・・・そんなにあげ」
「違うわよっ!!貰うほうよっ!何勘違いしてるのよ!」
「えっ?っていうか、普通はあげるほうでは?」
「そうなんだけど。ヒナは人気だから毎年たくさんの女子から渡されるのよ」
「何でかしら・・・私、女の子らしくしてるのに」


以前と同じく陰謀だの何だのと呟くヒナギクがそこにいた。
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