ハヤテ小説

想いが花、開く瞬間
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「ごめんね、ハヤテ君。手伝ってもらって」
「大丈夫ですよ」


生徒会室には現在、二人の生徒がいた。
一人はこの学校の生徒会長である少女、もう一人は彼女と仲の良い少年であった。


「まったく、あの子達は・・・」


ハヤテが生徒会室にいるのは、ヒナギクの仕事を手伝うためだった。
というのも、いつもの三人が相変わらず仕事をサボっているからだ。
きっと今頃、何処かで遊んでいる事だろう。


「それにしても・・・すごい量ですね」
「あの子達が手伝わないし、もうすぐ三月だからね。仕方ないのよ。・・・あ、紅茶でも飲む?入れてあげる」


溜息をつきながら立ち上がり、手際よく紅茶を入れる。

・・・のどかな時間が、生徒会室に流れていた。






その翌日の放課後の教室。


「しかし・・・もうすぐテストか・・・」
「めんどくさい・・・」


軽く鬱になりかけている美希と理沙。
そして、その横で鬱になりかけつつ、何処か楽しげな表情を浮かべる泉。
そんな彼女を見て、美希たちはふと不思議に思ったことがあった。


「なぁ、泉。何でそんなに楽しそうなんだ?」
「テストってめんどくさいだけだろ?」
「テストは嫌いだけど。ほら、もうすぐヒナちゃんの誕生日でしょ?」
「そういえば・・・」
「そんな時期ね・・・」


言われて気がついた。どうして忘れていたんだろうか。
そういう思いが、ふと美希の心によぎった。


「今年もやるか」
「そうだね♪」
「そうと決まれば、早速計画立てるぞ」


やる気満々に話し始める。
ヒナギクがもしそれを見ていれば、きっと生徒会の仕事もこれくらいちゃんとやればいいのにと思う事だろう。
それほどに、今の三人は真剣だった。









「ハヤテ、今日からテストが終わるまでは仕事しなくていいぞ。勉強、しなきゃいけないだろう?」
「ありがとうございます、お嬢様。ところで・・・テストがもうすぐという事は」


言いかけたその言葉を、遮り、ナギは確かめるように。


「ヒナギクの誕生日、だろ?」
「ええ」
「去年はヒナギクに内緒であの三人が誕生日会を開いていたな」


誕生日当日にその話をした時、ヒナギクは初耳だと言った事を思い出す。
そして、その話を聞いたハヤテは。


「あの三人の事ですから今年もやるんでしょうね」
「だろうな。ハヤテは去年、クッキーあげたんだったよな?」
「ええ。あれくらいしか思いつかなくて」


今年はどうしようかと考えるハヤテ。
そして、何かを思いついたような表情をする。
そんな様子を見たナギは。


「どうしたのだ?」
「いえ、何でもありませんよ」


何だかさっぱり分からないナギは、首を傾げるだけだった。
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