1/4ページ目 11月10日。 その日、雪路は朝からずっとハイテンションだった。 「いつもにまして元気だね・・・、桂ちゃん」 「ま、誕生日だしな」 「つい最近まで忘れていたらしいが」 そう、この日は雪路の誕生日だったからだ。 もっとも、理沙の言うように、雪路自身はつい最近まで自分の誕生日を忘れていたが。 ここで話は数日前に遡る。 桂家リビング。 「そういえばもうすぐね、お姉ちゃんの誕生日」 「10日だったわね」 「・・・え?」 珍しく家に帰っていた雪路は、ヒナと義母の言葉を聞いてポカンとする。 何が何だかよく分かっていない様子である。 「忘れたの?11月10日はお姉ちゃんの誕生日でしょ?」 「・・・そういえばそうだっけ」 妹の誕生日はしっかり覚えているくせに、自分の誕生日は本気で忘れていた雪路であった。 「それくらい、覚えておきなさいよ・・・」 溜息を突かれる。 明らかに呆られていた。 ・・・とまあ、こんな事があったのだった。 「でも、雪路の歳で誕生日って・・・」 「あまり嬉しくなさそうな・・・」 美希たちならともかく、雪路の場合はむしろこのままがよさそうな感じだろう。 だが、雪路はものすごく嬉しそうだった [指定ページを開く] <<重要なお知らせ>>@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
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